劇場フル活用

空気ノ機械ノ尾ッポ Vol.10「X」
作・演出:松川晃子

@中野ザ・ポケット

 初見ですが10周年とのことで。
 舞台があるのに舞台を使わないとか、ひとつの言葉尻をめぐって延々の攻防戦とか、たとえセリフが聞きとれなくてもリズムで見せきるとか、客席で暗算させるとか、変則的な小技をいくつもちりばめた作品。
 起承転結とガッチリ教科書通りに作るのもいいけれど、やっぱり自分的にはこういう、どこか『とっ散らかした』作品のほうが好みなんだと改めて認識する。役者が一度もトチる気配さえ見せない芝居にリアリティを感じない、とかいう底意地の悪い価値観持ってる僕としては。