博愛の名のもとに
- 劇26.25団 「博愛」
- 作・演出：杉田鮎味
劇団○○とか××劇団というのは数あれど、そんなふうに挟んじゃった人達を僕は他に知らない。しかも挟まれた単語もなんだかよくわからない。この劇団名を知って以来ずっと観たい観たいと思っていた*1のですが、都合が合わないまま作風もあまり知らないまま一年が経過して今日に至る。
気まずいシチュエーションを組み立てるのが抜群に上手い、というのが第一印象。ですが、終盤に向けてその感触は徐々に変わっていくのでした。片手間の懺悔に片手間の説教、ぶつかってるように見える意見は実際お互いかすりもしてなくて、善も悪も証拠不十分、みんな正しくて全員間違ってる。でも、こんなに矛盾しまくってる人たちが「そこにいる」姿にだけは矛盾も不自然さもなくて、怖かったり頼もしかったり。
あと、林佳代さんの所作が逐一超人的で、言うつもりじゃなかったのに終演後ついうっかり「おもしろすぎます」というダメ出しをしてしまう。別段トリッキーな動きもしていないはずなのに、なぜだか笑いのウェーブを巻き起こす特異体質の持ち主。今後の予定欄に書かれた『小芝居「社長をだしたりしまったり」』というのも気になる。きっと本当に出したりしまったりするんだろうな。それも凄い勢いで。
*1:『ネーミングセンスの好き嫌いと作品の好き嫌いは原則として一致する』の法則。
