佐藤和歌子「間取り相談室」

間取り相談室

間取り相談室

 不動産の図面から「実在するヘンな間取り」を収集するマドリスト、というのが肩書き。まあ、簡単に言うとソラミミストみたいなもんでしょう。たぶん。
 前作「間取りの手帖」は「実在するヘンな間取り」と「一言ツッコミ」だけで構成された、それはそれはシンプルな本だったのですが、今回は「実在するヘンな間取り」と「架空の住人の悩み相談」という構成*1です。なので、間取りのどこがどうヘンなのか理解するには想像力を膨らませる必要があります。ここに住んだらあの柱が邪魔そうだとか、俺ならここに布団を敷くなとか。そんなふうにして脳内引っ越しを繰り返すのも、また一興かと。

*1:わざわざ巻末に「この物語はフィクションです。実在の人物、団体等とは一切関係がありません」と明記されています。