はじめての整形外科

 去年の今くらいから右の手首に現れた腫れ物の名はガングリオン*1。恐ろしげな名前のわりには無害というシロモノで、わざわざ病院で取ってもらうほどの支障もないし、話の種にもなるだろうし、と放置してあったのですが、やっぱり気にはなるわけで。このたび「ガングリオン生誕一周年記念」という絶好の口実を見つけて摘出してもらいに行きました。
 ガングリオンは整形外科で治療してもらえる、という話を昨年末に経験者から聞き出していたので、家の近所にある整形外科へ。内科や耳鼻科と違って、こんなことでもなけりゃ来ない場所です。受付で名前と住所、年齢などを書いて待つこと数分。レントゲンを取り、太い注射針で吸い出される。その時の院長の言葉を僕はきっと忘れないでしょう。
「やっぱり出ないな」
 やっぱりって何ですか、という言葉が喉元まで出かかったところで手首を見ると、なんだか赤黒い、見るからに不健康そうな液体がドロドロと流れ出てきているのを発見。
「せ、先生、これですか!?」
「いや、それは血」
 そんなこんなで何も解決しないまま手首に包帯を貼りつけられ、ためらい傷みたいな状態で帰宅。明日もう一度診察して様子を見るそうです。


 後編に続く。