わたしのフランケンシュタイン

「このシーンで××を使いたいんですが」
「あ、××ならありますよ」
 …てな具合で。
 あれはたしか二年前の冬、おそらく初めて自力でデザインとか素材プランから考えて作った小道具。それがアイツ。当時の団体の倉庫で大事に保管してくださっていたアイツと、〇素の稽古場で二年越しの感動の再会。若干の変形加工*1とともに、ふたたびアイツを舞台に乗せることになりました。
 二年前の自分の手によるその作品は、そりゃあもう今の何倍もつたない出来で、もはや比喩でもなんでもなくボロゾーキンみたいでしたが、しかしそんなアイツが二度も活躍の場を与えられるなんて、なんという光栄。月並みな表現ですが「我が子のような」という言い方がアイツには一番しっくり来ます。
 そんな我が子をドラムバッグにねじり込み、いつものように職務質問*2に怯えながら帰宅。『お前をもう一度スターにしてやる』そんな気持ちでメンテナンス進行中です。

*1:ちなみにアイツは初舞台のときとは全く違う演技(演技?)を求められています。役者魂(役者!?)を見せてやれ。

*2:基本的に年がら年中キワモノばかり嬉々として作ってる身ではありますが、アイツは何を隠そう僕のこれまでの全仕事の中でも一、二を争う怪しさを放つ小道具です。もし事情を知らない人に見られたら本気で言い逃れが思いつかない。