われらの道は

 6月の、くねくねし稽古場にお邪魔する。
 帰りぎわに複数の人から「小道具多くてびっくりしたでしょ」と聞かれるほど、いろんな『この世ならざるもの』が登場する脚本。
 僕が危婦人にかかっている間にメインチームが製作していた小道具たちが、すでに稽古場へ続々届いており、それらの出来映えを見るたび非常にプレッシャーを感じるのでした。これに並ぶ造形力が自分にはないことを自覚せざるをえない美しさ。まして美大卒でもなければ学んだ師匠がいるでもない、小道具発祥の地(あるなら連れてってほしい)で修行を積んだわけでもない、こんな僕にできるのは「まごころの手作業」「独創的な素材選び」だけなので、それを前面に押し出していければと。役者のテンションを上げられるもの作りたいなあ、と、そんなふうに思う。