わびさびと伏線

猫と扇子の和え物「和風」
作・演出:田端真志

@しもきた空間リバティ

 『ミケとゆたん歩』主宰による別プロジェクト。いつもながら良い名前つけるなあと感心しながら劇場へ。
 劇場は地上4階。関西にいたころ、OMSの次に足繁く通っていたウイングフィールドを彷彿とさせる小粋な空間でした。当時ウイングフィールドは僕の『当たり小屋』*1だったので、それに近い雰囲気に期待が募る。
 前半の噛みあわない会話のもつれっぷりを楽しみながらも、後半になるにつれ徐々にいろんな歯車が噛みあっていく。まだ田端氏の作品は2回しか見てないのにこんなこと言うのもなんですが、いつも環境音(前回は電車のベル)に全テーマが集約されて終わる、そこからカーテンコールまでのごく短い暗転時間。あの余韻がとても好きなのです。直球すぎるくらい直球の『いい話』描いて、なおかつそれが鼻につかない人って実は貴重じゃなかろうか。

*1:そこでやってる芝居が面白い率の非常に高い劇場のこと。科学的根拠はもちろんない。前知識ゼロの芝居に行くときなどに強力な後押し要素となる。