それがもんだいだ

 そう言ってるそばから行ってしまうのは、これだけは事前にチケット代を払い込んであったからです。病にも打ち勝つ貧乏性。そして、これ観て生きる気力が湧く(なかったのか)。すごいぞ、芸術療法。

ホナガヨウコ×にせんねんもんだい 「のべつまくなしこどもたち」
構成・演出:ホナガヨウコ/音出演(演奏):にせんねんもんだい

ティアラこうとう・大会議室

 大会議室の大きさに驚く。なんだこの結婚披露宴くらい出来そうな部屋は、こんなところで何を会議するんだ、とか思っていたら二つある会議室の間仕切りを取って一つにしたものだとわかり、納得。ついでにその間仕切りを緞帳がわりに使うアイデアも素晴らしい。
 にせんねんもんだいの音はダンス向きじゃないんじゃないかとの僕の勝手な心配はどこへやら、にせんねんもんだい「で」踊れないなら、にせんねんもんだい「を」踊ればいいと逆転の発想で見事にシンクロする音と体。昔テレビで見たLOONEY TUNESの『セビリアの理髪師』を思い出す完成度。
 うっかりライブステージに上がりこんでしまった子供が、そこで鳴ってる音をただひたすら楽しんでいて、その様子が客観的にはダンスのように見えているだけ。そんな設定が頭に浮かぶほど無邪気に跳ね回る三人のダンサー(という名のこどもたち)。