1+1+1+1≧4

 たとえがどうにも陳腐なのだけど、稽古場に小道具持っていくのは毎回誰かに手作りプレゼントを渡しに行くみたいな気分。想定するお相手はそれを発注した演出家であったり、それを実際に手に持ち振り回す役者であったり。いずれにせよ、気に入ってもらえるだろうか、ということばかりが心配になる。こと小道具に関しては、仕事にはしたいけどビジネスにはしたくない。いや、ビジネスではあってほしいけどビジネスライクにはなりたくない。このへんは僕と頻繁に顔合わせてる人には聞き飽きた話かもしれないけど。
 さて、そんな手作りプレゼント*1を持ってゆく危婦人稽古。早いもので翌週明けには本番迎えます。いままで稽古場が分かれていたせいで把握しづらかった3編の物語の全貌が、スタジオ合同稽古によってついに明らかに。4人の演出家と、その前に立ち並ぶノートパソコン4台の壮観さ。3人寄って文殊の知恵なら4人寄れば文殊超えも理論上は可能なわけで。か、な、り、面白いです。
 加えて、再びザンさんから浜子が「目覚め」はじめる。技術で役を従える*2のではなく、役の気持ちになりきるのでもなく、どこからともなく役を「呼び出してくる」演技。ザンさんが浜子を演じているのか、浜子がザンさんを演じているのか、って、それはなんだ、荘子か。荘子の手口なのか。なんてなことを通し稽古見ながらボンヤリ考える。

*1:もちろん、何なのかは本番見てのお楽しみ(宣伝常套句)。

*2:素人意見ですが、どちらかといえば普段の(浜子以外の役を演じる)ザンさんはこのタイプだと思う。