関数童話

サンモールスタジオ・プロデュース 「Nf3 Nf6」
作:野木萌葱(パラドックス定数)/演出:佐山泰三(サンモールスタジオ)

@新宿サンモールスタジオ

 舞台上の二人が向き合う机の上に置かれたチェス盤の上が第二の舞台。そこで交わされる、戦争と数学にまつわる話の内容は高度に難解すぎて「抽象会話劇」とでも呼べそうなのだけど、劇場の黒い壁に直接チョークで描かれる数式は(わかろうがわかるまいが)意味なんか関係なく美しいビジュアル*1で、数学嫌いだった僕にも理屈抜きで痺れ憧れさせる何かがあったのです。
 演出上は絶対にNGなんだろうけど、天才数学者という役にもかかわらず結構な規模でカミ続けた寺十さんは、あれはあれでたいへん面白かったので良いと思います。

*1:感覚としては「読めないし当然意味もわからないロシア語やアラビア語が書かれたTシャツをかっこいいと思う」のに近いのかも。