静謐系/現代文語会話劇

properties2008-11-22

 これからどんどん冬になるというのに切りすぎた(切られすぎた)髪で稽古場に向かう。おそらく2008年小道具仕事納めになるはずの現場は馴染みのアイツら、こゆび侍です。
 最初の打ち合わせの際、成島氏が『小道具』ではなく『コラボ』と確かに言ったのを僕は覚えています。それは何というか、僕の作るものを独立した作品として認めてもらえたような気がして嬉しかったのですが、だからといって発表の場所はあくまで劇中設定の内側、場違いに独立したオブジェにだけはなりたくない。が、綿密に打ち合わせようにも掴みどころのない広範囲の発注を前に攻めあぐねてるのも事実です。たとえばあなた、あなたがペットショップの店員だったとして「哺乳類をください」って言われたらどう対応しますか? そんな感じです。とはいえ、いつもからすれば無理難題度は低めなので今度こそはクオリティを底上げしなくてはと意気込む。意気込みすぎて良かれと思って持ってった資料コレクションに大いに引かれる。今回のために集めたのではなく何年か前から個人的に収集していたもので、我ながらオトメチックな趣味だなあ程度には薄々思っていましたが、どうやらそういう問題ではなく男女問わずそんなものは集めない、とヒトとしてダメ出しされたのは参った。「あほとしか言いようがない」とまで言われる始末。でも多分、この公演に懸ける本気具合だけは伝わったっぽいので良しとしよう。
 稽古帰りに立ち寄った魚の美味しいお店で手が震えて生ガキの中身こぼすこぼす。ああ、不器用だってバレる。