≒ミュージカル≠

エビビモpro. 「エビビモ」
作・演出・作曲・演奏:矢ヶ部哲

三軒茶屋シアタートラム

 前日にリマインダーメールが来たのには驚いた。当日朝に届くメールは他でも見かけますが、すっかり忘れて翌日に予定を入れてしまいそうな人までも押さえ込む、この親切設計め。
 『新しいものではなく面白いものを』って触れ込みの劇団によるセルフタイトル作ですが、とんだ嘘つきですね。ただ面白いだけじゃなく、全然新しいじゃないかコレ。
 このテの作風が知らず知らず振り撒いてしまう「ベタさ」に泳がされ、無意識に脳裡に浮かべてしまう「はいはい、どうせ最後はああなってこうなって」みたいな軽々しい推測にクライマックスで畳返し浴びせられる逆自己啓発系ハッピーエンド、歌って踊れるカラフルディストピア。40人近い役者陣のパワフルさが皮肉に拍車をかける。してやられました。
 アフタートークで明かされるエビビモの名の由来に再び腰が砕ける。