大逆襲ジェネレーション

ゴジゲン 「たぶん犯人は父」
作・演出:松居大悟

こまばアゴラ劇場

 ほぼ前知識なし、ゴジゲンが五時限なのか五次元なのかさえ知らずに観劇。変わり種ばかり見ているせいか、アゴラ劇場でこういうセットは初めて見た気がします。
 間違ってる人が間違ってる人を糾弾し、偽善が偽善を裏返し、少額買収合戦と効率の悪い操作本部を軸に犯人はローテーションで回り出す。真っ当なシチュエーションコメディと見せかけて何一つ進展しないまま二転三転するイタチゴッコの末に発せられた「からっぽでごめんね」というその台詞が、単なる開き直りじゃなく確固たる意思表明として響いた瞬間、なにか胸につっかえてた感覚が一気にブワッと取れた。
 時間の都合でアフタートークは聞かずに退出。この作品を父は見にきたのかどうか、それだけでも聞きたかったのだけど。
 HIPHOPについての知識は浅ければ浅いほど面白いと思います。