煩悩と同じ数

劇26.25団 「108」
作・演出:杉田鮎味

@五反田アトリエヘリコプター

 物語は収束も解決もしていないのに、暗転した瞬間「ああ、これで終わりなんだ」と全身でストンと理解できる。「えっもう終わり?」とはならないし、「まだ続くの?」ともならない。過不足が、ない。
 独特、のひとことで済ませてしまうにはあまりに惜しいのですが「どこがどう独特なんだ」と詰め寄られたならゴメンナサイ、僕には満足に説明しきれるだけの語彙が足りない。
 この世には様々なジャンルというものがあって、皆あわよくばそれで括ろうとするし、括って纏めれば解ったつもりにもなれるもんなのだけど、25団には括るべきジャンルがない。というより、1つのジャンルだけに寄りかかって立ってない気がするのです。コント/ホラー/不条理/社会派/喜劇/悲劇/情念/クール/シュール/リアル…数えあげれば切りがないそれら全部、あなたがそのどちら側に立って何を期待して観ているか、それによって劇26.25団の印象はどうとでも変わってみえることでしょう。