乱れ舞うペンライト

ロロ 「いつだっておかしいほど誰もが誰か愛し愛されて第三小学校」
作・演出:三浦直之

@新宿眼科画廊

 なんだかんだで今年3回も観てる、「表現を模索する」ことに関しては他の追随を許さないロロ。
 「提示」でも「追求」でもなく「模索」と呼んだのは、目指す表現の方向性がこの先どうなっていくのか全くわからないからなのですが、にもかかわらず一切「迷走」的なブレ具合じゃないのが頼もしいやら憎いやら。「メタ演劇を見ていたはずが超どストレート青春物語にすり替わってる」スタイルは共通するものの、これまで見てきた3作品を通じてのホップステップジャンプ感たるや。なりふり構わないのが結局最短距離だってことを身をもって証明してくれそうな予感がします。
 文法的には狂っているのに言いたいことはニュアンスでなんとなくわかる公演タイトルが示すとおり、言葉なんて通じなくても言葉は通じるのです。劇中劇「告白用台本」*1とか、8×4をもぎ取られたペットとの最期の会話とか、飴やマシュマロが体から出る甲殻類好きの女の子から金平糖が出るシーン(さあ見てない人には全然なんのこっちゃ解るまい)とかが、僕の涙腺の元栓を念力でこじ開けてくる。冷静に考えりゃ笑いどころこそあれ泣くポイントなんて一つもないのに、なぜだか見ていて冷静になれない。いってみれば、辺り構わずビービー泣いてる小学生を見ているうちに、わけもなくもらい泣きしてしまうかのような。

*1:普段稽古場で当たり前に見ていた「台本から目を離して喋る」という行為のすごさを思い知る。