銀河家族

ままごと 「わが星」
作・演出:柴幸男

三鷹市芸術文化センター・星のホール

 シアタートラム内に全宇宙を閉じ込めた『ハイパーリンくん』の続編として見るのが正しいかどうかはさておき、人々が輪になって踊りさえすれば柴幸男マジックは発動するのだという事実はこの2作で証明されました。「演劇嫌いな音楽好きの人」を「演劇好き」か、さもなくば「ままごとフリーク」に豹変させうる驚異的な間口の広さが最大の武器、だと僕は勝手に思っております。
 宇宙全体から見れば六畳一間なんて存在しないも同然の極小空間なんだけど、六畳一間とその隣近所、つまり子供の行動半径だけで宇宙を語ることはできるのです。パンク寸前の情報量と、破綻すれすれの相対性理論と、ごっこ遊びとヒップホップとを駆使して100億年の宇宙史を凝縮した演奏時間80分のワントラック・アルバム。
 ツキちゃんの「アポロくれてありがとう」は文句なしに泣ける名言だと思う。