俯瞰してみる


 つい先日幕が上がったばかりなのに、明日にはもう幕が下ります。改めて15minutes madeなる企画の凄さを考えてみたりする。出自も違えば方針も違う、「面白い」の基準として据えているものさえも全く違う6団体が一堂に会して、それぞれを見に来る人たちがいて、「やっぱり××は面白いけど××はよくわからなかったなあ」とか「××目当てで来たんだけど××のほうが良かったなあ」とか、そういった感想が生まれて、なんかこう、個々の好みがぐちゃーっと入り混じってゆく。ピーマンを食わず嫌いな子にチンジャオロースーを食べさせるかのような、なんじゃいその喩えは、ともかくそういう試み。だから15mmは6団体を連続上演はするけれど、その中で順位をつけさせたり優勝を決めたりはしない。それこそが15mm最大の美点だと思うのです。順位をつけるのはおのおの「面白い」の拠って立つ地点がそれぞれ違う観客席の一人一人であって、主催者側のやることではない。
 と、いう前置きを踏まえて、今回の上演順は何度見ても神懸かっているなと思う。おそらく最も集中力を削がずに最後まで見続けられる並び。こゆび侍が二番手ということで『アルバムの2曲目がバラード』的な違和感を始まる直前までは抱いていたのですがそれさえも、観てみてあらびっくり、どう考えたってそこ以外ない、という位置に収まっています。表現として全く対極に位置するであろうモエプロと国分寺大人倶楽部が休憩を挟んで対峙しているのも非常に面白い。