end of 200X


 年末なので奈良に帰ってきてます。奈良というか奈良北部、というかカーナビがただの白地図と化す最北端の地。日曜祝日の終バスが19時半の、夜遊びが物理的に禁じられたアンチメトロポリス
 ここら一帯が世界のすべてだった子供の頃には何とも思わなかったけれども、大人になって気付いたことは「バス停の名前の難易度が高すぎる」ということでした。『黒添池*1』に『狭戸*2』、『鐘付田*3』ときて『蛇喰*4』『出垣内*5』『上町高樋*6』『二名*7』と続きます。どうだ読めまい。そして終点は『富雄』。誰や。親戚の子か。
 大学時代の友人たちと布施駅前で飲む。布施、ご存知ないですか布施。リットン調査団の「見て、あれが地球よ…あそこが、布施」「なんて目がいいんだ!」のネタで一躍有名になった(なってない)布施。戻ってきて毎回思うのは「久しぶりに聞く関西弁やっぱり怖い」ではなく「東京には『腐れ縁』がない」、ってことですね。優しさの裏にチラと打算が見えてしまったり、ちょっと疎遠になっただけで連絡をとりあうのにかなりの思い切りを必要とする、あの感じ。湿気を帯びないドライな人間関係では腐るものも腐らない、というのは、しかし東京だけのせいなのだろうか。関西弁から標準語へ、電化製品の周波数のようにクルッと言葉遣いが変わるのも逆に、たぶん僕がまだ東京に完全には心を開いてないってことなのでしょうか。そこらへんが来年の課題になりそう。
 どうか皆様よいお年を。僕もなんとか自力でよいお年にしてみます。

*1:クロンドイケ

*2:セバト

*3:カネツキデン

*4:ジャハミ

*5:デガイト

*6:カミマチタカヒ

*7:ニミョウ