去年のつづき


 そして東京に戻ってきたわけですけれども。
 新年早々、神様から「おまえは黙っとれ」とのお告げがあったようでして、2日からずっと声が出ません。いや、全く出ないわけじゃなくて喉の奥から絞り出せば「喉の奥から絞り出したような声」は一応発声可能なんですが、その声で話すには2分に1回水を飲む必要がある。まあドラえもんの声さえも変わる時代ですし、僕の声くらい変わったって珍しくもない騒ぐようなことじゃない。ただ、本人にとっちゃこれはこれで死活問題なのです。
 行きつけの、じゃなかった、かかりつけの耳鼻咽喉科を頼りに朝一で出かけたら、非情にも休業中。しかたなく初めて行く病院で診察を受けたんですが、声がれを治せる即効薬というものはなく、各人の免疫力によって徐々に快方へ向かわせるしかないらしく、それら全部を踏まえて最終的に「あとはあなた次第です」と言い放たれる。ああ、その言葉、もうちょっと違う文脈で聞きたかった。