演劇フェスタ2005 next wave vol.1

田辺茂範プロデュース公演「劇的改造!ビフォア&アフター」
ビフォア作品『ヒロシのパン』作・演出:田辺茂範(ロリータ男爵)

@笹塚ファクトリー

 30分くらいの芝居(ビフォア=台本あり)があって、それが終わってから日替りゲスト二人を加えて一時間で打ち合わせ&稽古、「ビフォア」の雰囲気を若干残しつつ大改造された芝居(アフター=台本なし)になるまでの流れを全部見せます、という企画。ゲストは当日「ビフォア」を見るまで芝居の内容を全く知らされておらず、そのゲストから飛び出すアイデアを出演者が予測できるはずもなく。もちろんアイデアに応じて音響も照明も舞台の使い方も変わるため、スタッフも常に試されてる感じ。なので、打ち合わせ中は全員が完全に素に戻った状態で立っているわけで、舞台上は稽古場そのもの。これはそうそう見られるもんじゃないですよ。四方八方から飛んで来るリクエストをまとめるため困りに困っている田辺さんが面白い。打ち合わせ時間が残り10秒を切ったところでラストシーンの説明「成仏して、空飛んで、温泉たまご!」たったこれだけの指示でクライマックスを作り上げた役者陣は凄いと思います。演劇の奇跡*1をいくつも見たような気がします。

*1:見た人にしか解らないだろうけど「忌中」とか。