つよしとひでき「タータン」

 ギャラリー、お寺の本堂、民家の屋上など、劇場以外の場所で上演を重ねてきたトリのマーク*1山中氏ですが、今回はさすがに度肝を抜かれました。だって、『雀荘で演劇(ワンドリンク付)』…この組み合わせだけで勝ったようなもんですよ。何に勝つのかわからないけど。

つよしとひでき(trf) 第5回公演「タータン」
作・演出:山中正哉(トリのマーク)

東武練馬・麻雀倶楽部Zoo

 人生で初めて雀荘に行き、麻雀せずに演劇を見る。貴重な体験させていただきました。僕が長年思い描いてきた雀荘のイメージ(日本刀が飾ってある、壁に血痕がついている等)とは異なり、こざっぱりとした店内。ただ、入口で案内板を持ってる人がアフロ+サングラス+派手なオープンシャツ+くわえタバコ+天使の羽根(何故?)、という完璧な「カタギじゃなさそうなひとルック」で、入るとき少し冷や汗をかいた。
 麻雀が何なのかも全く知らないのにやる気だけは十分に雀荘へ来てしまった男と、麻雀は知ってるけど面倒だから教えたくない男による二人芝居。だから麻雀の話は一切しません。牌にひとつずつテキトーな名前をつけてみたり、自分の顔をコピー機にかけて飾ってみたり。劇中歌(?)の「どいつもこいつもワニ、ワニアンドファーガソーン」という歌詞*2が耳について離れず、帰りの電車内でも頭の中をグルグルする。

*1:ちなみに「トリのマーク」というのは正式名称ではありません。正式名称は、まさしく鳥のマークそのもの。つまり、文字じゃなくてマーク自体が名前なのです。だから発音できません。

*2:登場人物の一人が勤めるワニ&ファーガソン社の社歌。業種は主にワニ関係とファーガソン関係。