布団の上のロードムービー

五反田団「ふたりいる景色」
作・演出:前田司郎

こまばアゴラ劇場

 前回(キャベツの類)も、人が巨大化するという不可能をピアノ線も小道具も使わず可能にしましたが、今回はそれに輪をかけたように時間も空間も自由自在。一歩も部屋から出ないはずの男が一瞬で熱海に移動したり、傘で空飛んだり、ゴマの精が現れたり…なのになぜか泣ける芝居という、こうして字面で見るとありえない事態になってました。まあ、前回(キャベツの類)も『キャベツをむしりながら泣いてる男に感情移入する』という事態になってましたけど。
 終演後、ものすごくざっくばらんとしたアフタートークに参加。完成型とはまったく違った没プロットの話なども聞ける。あんまりこういうこと公共の場で話してくれる作家っていないんじゃないでしょうか。僕もこれくらい裏表のない人(または、これくらい裏表がなさそうに見える人)になりたいと思います。