たけくらべ/奈良倉庫から

 稽古場へと向かう電車に乗りこむと背の高い男を発見。ほとんど条件反射的に隣に並び背筋をしゃんと伸ばして対抗する。
 僅差で勝利。
 気分よく稽古場に着くと通し稽古はすでに始まっていた。出番を待つ新倉さんが僕の隣を通り過ぎたとき、改めて見たその背丈に瞬時にあぁ負けた、と悟る。
 こんなちいさな勝負の行方はさておき、通し稽古おもしろおかしく拝見してきました。手元にある台本が途中までで、しかもバージョンが古いこともあって、予想外の台詞に驚いたり、こと後半に至っては怒涛の展開に目が釘づけ。
 実家に電話して小道具を送ってもらうことに。大昔にその場の勢いだけで買って全く有効利用せず埃かぶっていた品が今、ついに人様の役に立とうとしています。素晴らしき哉リバイバル。使い方まちがってます。