ふにおちた

 持っていく小道具の評判がよくて思わず顔も綻ぶ稽古場。できないことはできないと言うのもプロの仕事のうち、とは言いますが、そういう意味では到底プロにはなれぬ不肖辻本、『ノーと言えない小道具』としてココまで来ちゃった男ですから開き直って陳腐なことも言っちゃいますけど、結局のところ僕は役者陣の笑顔が見たくて小道具作ってんだろうなあとか、ほんと最近強く思うのです。仕事云々以前に、一人の観客としていい芝居が見たい→そのためには役者のモチベーションが上がる品々を目の前に並べてさしあげたい、と。
 まあ、どうでもいいです僕の話は。稽古の話をしましょう。
 ずいぶん前から、くねくねしの芝居は何かに似ていると思っていて、それが具体的に何なのか長い間わからなかったんですが、ようやく今わかったような気がします。
「くねくねしの芝居はタイムボカンシリーズに似ている」
 いや、やってることは全然違うんですが、全体の手触りというか、次から次へとデタラメ*1な道具やキャラやアイデアが惜しげもなく出ては消え、通り過ぎてゆく様子が。実写版(しかもオリジナル舞台版)ヤッターマン、として見るのも面白いかもしれません。どっちにしろ、こんな芝居なかなかないですよ。

*1:もちろん、この場合は褒め言葉です…が、そういえば僕はデタラメという言葉を悪い意味で使ったことが一度もないような気がする。