蝉から始まる夏の芝居

chon-muop「物語まみれ」
台本・演出:櫻井拓見

@高円寺明石スタジオ

 散乱した部屋、前の住人の荷物、いなくなった猫、巨大な着ぐるみの猫、ノイズで体操する隣人、完全デジャヴ説、関西弁とガンジス河への偏見、些細なことしか知らない予言者、絵を送りつけてくる人、まじすかって言いすぎる男、白紙の葉書、投函してないのに返事が来た葉書…
 まさしく物語まみれ、一切の解決は無し。ひとつひとつに意味があるのかないのか、アレとコレは関係あったのかなかったのか、とにかく何パターンでも解釈の余地がある終わり方。見終わった瞬間は「え、どういうこと?」だったのが、あとからじわじわと旨味が染み出してくる、がんもどきみたいな芝居です。