開戦前夜

セサミストリート倍速再生みたいな」
「もっと紳士で貴族でバロンって顔して」
 どちらも成島氏の演出指示の言葉です。今これ読んでキョトンとした人、たぶんあなたが正しい。でも、こゆび侍の稽古という名のコミュニケーションを通過してきた役者陣は、それらを器用に理解し、こなす。たとえば、らせん階段に本当にバロンが現れたりもする。
 かたや芝居につきものなのがハプニング。間違えないでほしいのですが、トラブルではなくハプニングです。ハプニングにはトラブルの負債を跳ね返す爆発力がある。今日の場当たりで言うところの「他力」とか「ゴキブリがいました!」みたいな偶然の悪戯にも何度か出会うことでしょう。さあさ、お楽しみはこれからだ。もう寝ますよ今宵は。