粟立つ肌と手に汗

スロウライダー「Maggie」
作・演出:山中隆次郎

下北沢駅前劇場

 ホラーっぽい劇団だと事前に聞いていたせいか、なにもかもが怖く見えてしまう。開けっぱなしの襖間、天井までそびえる奇怪なパネル、そこに当たる照明の明るさ、暗さ、文字の羅列、からからに乾いてる(ように見えた)シンクに垂れる血の赤さ、しゃけの死…。
 ひとくちにホラーと言ってもこう、お化けが出てきてウギャーみたいなわかりやすい怖さじゃなく、体の裏側からジリジリ炙られるような、気がついたら大火傷してましたみたいな、そんな取り返しのつかない怖さ。現実的な怖さ。