鬼気、危機、せまる

 こちらも始動しました。それなりに長い付き合いなだけあって、僕にしては珍しくリラックスした状態で修行場訪問。あえて稽古場といわずに修行場といいます、それも荒行のたぐい。
 成島氏は、もしかしたら稽古場という場所を信用してないんじゃないだろうか。などと、前回よりさらに洗練確立された感のある荒行メソッドを見ながら一瞬そう思う。上演に向けてみんなで集まってセリフや動きのれんしゅうをしています、という、いわゆる『稽古場』本来の状況を一度リセットして、無制限に縦横無尽に繰り広げられる数々の「荒行」のすさまじさ。エチュードが一つの独立した短篇作品として充分すぎるくらいの完成度になっていて、否が応にも期待はふくらみます。
 そんな空気にすっかり冒され、食らいつくかのごとき前のめり加減で打ち合わせを済ませる。現在、まるっきり根拠のない万能感が全身を包んでいるので、そのオーラが消えないうちに製作にとりかかろうと思いますよ。