100年の冬と花

演劇企画ミルク寺 「美しい食卓」
作・演出:柳井祥緒

@大塚・萬スタジオ

 21人もの大所帯だからなのか、それとも4年近い東京演劇生活の賜物なのか、知ってる出演者の多いこと多いこと。といっても直接面識あるのは4人ですけど、この4人が4人とも揃って『見にいきたくなる役者』であり、しかもそれぞれ得意とする演技の分野は見事に別々のベクトルを向いているという、ある意味とても贅沢な布陣。
 ぼくら1980年生まれにとって超切実だった1999年問題、つまり「ハタチになる寸前に人類が滅亡するかもしれない」という可能性に楽観したり悲観したりして、結局その予言も外れちゃって、えもいわれぬ『生き残らされちゃった感』に苛まれながら大学生活を過ごした世代としては、この『世界の終わり』はすごく、すごく見覚えのある風景なのでした。決定事項をただ待つしかないというあの感覚。劇場の空調音が聞こえるほどの静けさに忍び寄る終わりの気配。