勝っても負けても兜の緒

 初日でした。
 前回・前々回と共演(演?)した衣装のヤマギワさんから小道具を絶賛され有頂天になる。その後、初日打ち上げ解散直前に成島氏から別の小道具についてダメ出しを受け、天狗になりかけていた鼻が適度なサイズまでシュルシュル縮む。そうだった、まだ始まったばかり。油断や慢心は終わってから好きなだけすればいいわけで。せっかくあのゾッとするような感触が芝居に降りてきているのに、それを小道具ごときが足引っぱってちゃ元も子もないのです。自戒は人目に触れるところに書いておかなくては忘れてしまう僕だから、あえてここに記します。
 まだまだ始まったばかり、とはいえ、あと4ステージしかありません。阿佐ヶ谷の片隅で『りんごが食べたくなる芝居』あるいは『りんごが食べたくなくなる芝居』のどちらかが待っています(日替わりバージョンとかではありません)。お見逃しになるかならないか悩んでいるひと、ここはひとつ、お見逃しにならないほうを選んでみてはどうだろう。