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Hula-Hooper 「嘘かもしれないけど、オリジナル」
作・演出・振付:菊川朝子

@新宿村Live

 この作品でおそらく年内芝居見納めです。
 ここの主宰は僕と同い年(誕生日も誤差一週間以内)だそうなのですが、そんな人たちが制服着て学園モノ芝居をやるだけで自動的に自虐ギャグとして成立してしまう、その厳然たる事実に改めて凹む。ああ、もうそんな歳なんだよなあ26って、と。若さの証明になるものは、その事実を受け入れたがらない往生際の悪さだけ。
 いきなり踊りだす(いきなりやめる)、いきなり立ち上がり歌う(いきなりやめて座る)、いきなり走り去る(いきなり歌謡曲流れる)、いきなり出てきてマシュマロ2つ食って暗転、いきなり実は男だとか女だとか幽霊だとか、いきなり搬入口が開いて天使が迎えに来る(開けたままひとまず踊る)、などなど、展開も選曲もベタな学園ドラマの隙間から時々のぞく狂乱のオリジナリティ。
 あ、ここでいうオリジナリティとは『他の何かと似ていないこと』ではなく『似ていようがいまいが、やりたいことは全部やる』そのオリジナル(本物)な気の持ちようのことです。だから、某ドラマのワンシーンまるごと再現しようが、オザキユタカを熱唱しようが、ダンスが柱の陰で見切れてようが、心意気はどこまでもオリジナル。フラフーパー、まだ2回しか見てないけど、その『自分たちが信じる面白さに忠実』な態度がとても好きだ、と断言してしまおう。