ベストアルバム

笙野頼子三冠小説集 (河出文庫)

笙野頼子三冠小説集 (河出文庫)

 読みすぎて擦り切れて背表紙が分解寸前だった「タイムスリップ・コンビナート」、九州かどこかの古本屋に唯一あるらしい在庫が結構な値段して入手を断念(その数日後に原宿ブックオフにて発見し迷わず購入)した「二百回忌」、以前はたしかに棚に並んでいたはずの地元の図書館から目録ごと消えてなくなってたウルトラ絶版本「なにもしてない」の三作品がまとめて読める大チャンス。新作発表を上回るスピードで次々と過去作品が絶版になっていく笙野作品を手に入れることは宝探し的な苦労と困難がつきまといますが、もうそんな心配はなくなった。ここにあと「レストレス・ドリーム」「母の発達」「居場所もなかった」ついでに「下落合の向こう」と「アケボノノ帯」も付け加えれば、僕はもうそれだけで一生読んで暮らせると思う。