パーフェクト・スクエア

 夕方、近所の公園というか運動場というか、とにかくフェンスで四角く囲まれた広場で中学生が画期的な野球で遊んでいるのを見かける。
 それはもう、野球のルールにかなり疎い僕でもわかるくらい画期的な野球でした。彼らはそう大して広くもないスペースを有効利用しようと知恵をふりしぼったのでしょう、広場の四隅をそれぞれ塁に見立てて遊んでいたのです。
 外野、なし。
 すべての打球は誰かが直接捕えるか、さもなければフェンスに当たって戻ってきたのを難なく拾われる運命に。
 とにかく野球がやりたい、楽しいかどうかは二の次、という潔すぎるスタンスにしばし目を奪われる。