sekai ni touch

 近所の公園にて、「世界にタッチ!世界にタッチ!」と叫ぶ子供を目撃。
 言いながら手足を振り回すその仕草は出来損ないのダンスみたいで、「世界にタッチ」という無闇にカッコいいフレーズとのミスマッチ感が余計に僕をとらえて離さないのでした。やめなさいと母親に叱られても、それでも彼は。自力で飛ぼうとする雛鳥のように世界にタッチを試み続けるその姿に、子供嫌いの僕も心打たれそうになり、いつか世界に触れるその日まで強く生きて欲しい、とかなんとか願いかけたその矢先に、彼は。
 「うー、ターッチ!」と言いながら、ベンチでじっと見ていた弟の頭をタッチ。
 『じつは世界は弟』予測不能の展開に一同唖然。