まだ何も言えぬ

 遅まきながら、ようやくベターポーヅの稽古場へ。
 そして早速、稽古も見ずに別室で小道具作業など。
 稽古を見て台本を読んでいてもワケガワカラナイ小道具が次々に出てくるのがベタポの醍醐味のひとつですが、稽古を見ず台本も読まずで作りはじめる小道具は通常以上にワケガワカラナイ。
 そもそも、他の劇団で稽古見ずに小道具作るなんてことは、僕にとってはほとんど不可能な芸当なのです。ごくまれに止むなき事情でそうしてきた小道具もありますが、やはり出来映えには不満が残る。それがベターポーヅだと難無くできてしまうのは、もちろん小道具および舞台のイメージを固める『美術監督』なる存在が別にいるからなのですが、そのビジョンが全くブレのない形で、しかも芝居の内容とは独立して、つまり小道具単体でも輝きを放てるように描かれているからなのでしょう。
 そんな小道具群と舞台美術(だと思う、たぶん)、それから休憩中に断片的に聞こえてくる台詞やシーンに関する話などを拾い集め、これまた断片的に頭の中で組み立てるしかない物語の全貌は尚更ワケガワカラナイ。最終公演ということで、きっと西島さんのやり残したことが全部詰め込まれているのかもしれません。明日には見せてもらえるものとはいえ、今の僕にわかるのはアレとアレが登場することと、誰かがアレに乗ることと、西島さんがあんな行動に出るということだけ。