左脳には見えない風景

 明日から小屋入りという時期にきて初めて通し稽古を見る。
 ベターポーヅの名誉のために言っておきますが、通し稽古が今日まで行われなかったわけでは勿論なくて、ただ単に僕が見る機会が今日までなかっただけの話。僕が日常的な些事(些事と言い切っちゃおう、この際)にかまけている間にも、ベタポ的非日常世界は着々と組み上がっていたのです。火のないところに煙は立たぬなどと申しますれども、原因がなくても結果は出るし、理由がなくても世界はまわるし、目的がなくても手段は選ばない、そんな芝居がここにある。よそにはないから、ここにある。まあ、とにかくだ、僕が何言ってるのかわからないって人は実際に観て体感してもらったらいいんじゃないかと。
 あと、稽古場に3回しか行けず、稽古は2回しか見れず、そのうち通し稽古は1回しか見ていないような人間がそんなの任されていいのかと思う大役に任命される。当日、劇場の片隅で周囲より明らかに緊張感(というより動揺感)を振り撒いているスタッフを見掛けたら十中八九、それが僕です。
 おたのしみに。