起源に触れたような気がして

 なんということもなしに、ただ不意にそのフレーズを思い出した懐かしさから、昔よく見ていたサイト「カオスは今日も雨だった」を検索して再訪、衝撃を受ける。
 ひょっとしたら自分のルーツはここにあったのかもしれないという衝撃。
 それまで何の興味もなかったはずなのに、ある瞬間どうして急に演劇が好きになったのか、小道具が好きになったのか、その答えに近いものを探し当てたような気分になる。混沌之庭シリーズが表現する『あきらかに嘘なのに、あまりに堂々としてるせいで嘘だって断言することができないようなもの』それはつまり、劇中に登場する『この世にあるはずがないのに、どういうわけか目の前に(CGも使わずに)登場しちゃってる』小道具のこと、なんじゃないかと思うのです。もちろん、小道具単独ではどうしたって嘘のまま。それを嘘じゃなくしてくれるのが「演劇の力」というやつなのですが。
 それに、以前見たときは何とも思わなかったけれど、「ルールの無いゲームの遊び方」なんて、まるでエチュードそのものじゃないか。『演劇の』という接頭辞を切り離したとして、僕が最終的に作りたい『小道具』とは、カオスのゲームキットなのかもしれません。