そして誰も生なくなった
- 五反田団+演劇計画2007 「生きてるものはいないのか」
- 作・演出:前田司郎
おそらく五反田団史上もっとも人数の多い、もっとも大声で叫ぶ作品。
総勢18名もの登場人物たちが、ちゃんとした理由もなく次から次へバッタバッタと死んでゆく、言ってしまえばただそれだけの内容。その理由のなさはホラーの部類に入るはずのものなのだけど、実際なんの心の準備もなく死に直面させられる人たちと、それをなんの心の準備もなく看取らされる人たちの間に流れる『なんともいえない気まずさ』は、残酷すぎるくらいに面白いのでした。舞台空間がいつになく広々としていなければならなかった、その理由に気がついたときの衝撃といったら。アゴラ劇場の床面を覆いつくす17人の静かな死体と、それを均等に薄く照らし出す明かりの、なんという不謹慎な美しさ。