時には出番のない子のように

 「ドン・キホーテの恋人」ラストシーンの激変にともない降板*1した小道具『両足複雑骨折のギプス』。押し入れで寝転がっている姿が不憫だったので製作過程とともに公開、供養いたします。

 まずはゴム長靴の爪先をノコギリにて切断、さらに脚部分を膝下あたりまでプラダン当てて延長。プラダンを入れることによりゴム長靴のブヨブヨする感じが消え、よりギプスらしくなります。余談ながらこのギプスの原型となった長靴のサイズは24.5、年末あたり一人作業中に試着してみた27.5の僕は脱げなくなって七転八倒。お気をつけて。
 だいたいの形が整ってきたら、靴底の滑り止めの凸凹に紙粘土を埋め込んで平らにします。この工程はもしかしたら飛ばしてしまえるのかもしれませんが、一応、ギプスなのに靴底にスパイクみたいな形状が浮き出てるのもイヤだということでご理解ください。

 プラダンの端は硬くて鋭利なので、足とか切らないように履き口部分にライオンボード(やわらかい素材)を添えて緩衝処理。あとは、ひたすら包帯をぐるぐるぐるぐる巻いていきます。100均の包帯で、片足あたり3ロールくらいあれば充分かと。長靴の色が目立つ場合は包帯の前に白いガムテープを巻いておけば大丈夫。

 仕上げに液状粘土を刷毛で塗ったくって、作業終了です。じつは長靴に直接石膏を塗りつけても作れるんでしょうが、ごめんなさい、もともと石膏で出来てるものを石膏で作ったって面白くも何ともないのです、僕が。

 前々作「網膜火傷」で使った死体の足に履かせてみよう…と思ったけどサイズが合わず入らなかったので、そっと傍に添えてみる。なんだこの画。

*1:1月3日、暗に触れられてるのがそれです。なお、これと入れ替わる形で発注が来たのが『たんぽぽの綿毛』。