憎しみは何も産まないが、悔しさはバネしか産まない

 毎度のことながら小道具持って稽古場へ。いつもなら『買うもの』と『作るもの』に振り分けされている危婦人の小道具班ですが、今回『作るもの』も二手に分かれており、僕もそれで多少負担が減るのなら、とか軽く考えていたのです。ところが、この日現れたもう一人の小道具さんが持参したもう一つの小道具は出来映えがよすぎた。というか、その小道具さんは別に普段から小道具担当ではなく、よその劇団の主宰であり作・演出でもあるという。
 これには普段限りなくゼロに近い僕のプライドも間欠泉のように高く跳ね上がります。その小道具、勝手に宣戦布告と受け取りました。そんな脚本書けて演出できて、あまつさえ小道具まで作れるようなスーパーヒーローがいてたまるものか。
 火、つけてくれてありがとうございます。専業小道具の沽券を賭けて、全力で迎え撃たせていただきます。重い荷物を持たされることよりも、自分より重い荷物を持った人に追い抜かれることのほうが我慢ならない性格なのだと改めて自覚する。要するにだ、かいつまんで言うとあれだ、負けず嫌いだ。