甲州街道のツネマツ

青年団若手自主企画 「おいでおいでぷす」
作・演出:岩井秀人(ハイバイ)

@アトリエ春風舎

 オイディプスなんていう如何にも英雄譚の主人公みたいな名前の響きとか、ギリシャ悲劇なんていう如何にも格調高そうな颯爽とした台詞回しとか、そういう表面的な格好良さに騙されることなく、むしろその格好良さのベールを木の皮かなんかのごとく無神経にバリバリ剥がし、古典作品の敷居の高さをウエストぶかぶかズボンのごとく引きずり落として『オイディプスは本当どうしようもないやつだ』という本当どうしようもない本質だけを描いた、キノコキノコうるさい前代未聞のジャパン喜劇。
 「この調子でいけば何でも舞台化できる」とのパンフレットの言葉どおり、ぜひともシリーズ化を熱望したいものです。岩波文庫全巻制覇とか。この面白さと解りやすさをキープできるなら、若者の活字離れに歯止めをかけられるんじゃないかとさえ思う。