ホリデーハイキング

急な坂スタジオ主催 「Zoo Zoo Scene(ずうずうしい)」
原作:エドワード・オールビー『動物園物語』/誤意訳・演出:中野成樹

@急な坂スタジオ→野毛山動物園

 みずから組んだ無茶なスケジュールのせいで、王子から桜木町まで90分以内に移動するというミッションを遂行すべく小走りで向かう僕の前に立ちはだかる上り斜面。急な坂スタジオの名前は伊達じゃなく、会場に着いたらすっかり息が上がって汗だくに。
 急な坂スタジオにてオリエンテーション後、A・Bの2グループに分かれてまずは動物園ツアー。レッサーパンダやキリンなど眺めながら進むのですが、事情を知らない一般来園者も大勢いる中で「ずうずうしいAチームの皆様」って呼ばれるのはどうにかなりませんかね。サルの飼育員・小林さんの軽快な話術と予測不能のオチに落語家的なプロフェッショナルの影を見る。
 40分の散策後、ひだまり広場にてようやく開演。広大な自然環境に囲まれた極小舞台でベンチをめぐる小競り合い。サルの鳴き声が音響効果となり、放し飼いのクジャクが思わぬ客演となり、本質以外は全部間違いだらけの誤意訳版『動物園物語』とともに日は暮れてゆくのでした。
 アフタートークでの自称『演劇に関してはド素人』な野毛山動物園園長が語る動物園論が、そっくりそのまま演劇論としても通用する内容であることに深々と感動する。