手加減無し

properties2008-08-01


 自分は今まで一体何を作ってきたんだろう、そう思わせるほどに連日連夜ばったばったと薙ぎ倒されてゆく我が子たち。役者の上がりきったテンションから放たれる本人もコントロールできないほどの運動エネルギーの前では、厳重な補強も飴細工に等しいのです。壊れやしないだろうかと心配していたものは例外なく壊れ、ふつう壊れるはずのないものまでも以下同文。
「すべての小道具の破損を逐一チェックしてください」
「それはなぜですか」
クロムモリブデンだからです」
 こんな会話も納得。扱いが雑なのではなく、おそらくは扱いが本気なのです。本気で強く抱きしめすぎた結果アバラ骨へし折っちゃう、みたいな愛ゆえの惨劇なのです。そうと信じています。そうでなきゃ、小道具が壊れるたびに悔しさや不甲斐なさと同時に『やるべきことができた』と少し喜んでしまう難儀な性格が報われない。