血反吐と幸せ

properties2008-08-04


 終わらないかのように思えた日々が終わりました。4月頃からちょくちょく稽古に顔を出し、そのたびに何らかの試作品を持参し、綿密な打ち合わせを繰り返し、焼いたり溶かしたり組み合わせたりで過ごした日々が。まるでライフワークのように長く感じた時間は終わってしまえば曖昧な記憶の中。ましてやクロムは再演をしません。終わったものには目もくれず次なる円形の地へ向かうだけなのです。
 僕にとっても初の大阪公演に初の関西弁演出家、初の小道具連続破壊と初めて尽くしの約半年間。改めて思ったのは関西弁同士のコミュニケーションがこんなに濃密で遠慮なく相手の懐に飛び込んでゆけるものだったのだなという感慨でした。無意識のうちにどこかで冷静さを装ってしまう標準語モードの自分に比べ、気がつけば森下さんの驚異的なツッコミ速度と精度に憧れている自分も見え隠れしたりして、今までで一番饒舌でいられた稽古場だったんじゃなかろうか。いかんせん腹式呼吸ができてないせいで僕のツッコミの大半は虚空に消えましたが。
 小道具としては今年に入ってまだ3本しか関わってない、いつになくスローギア気味だった2008年ですが、下半期それなりに固まりつつあるスケジュールは進行具合によっては過去最高のショートスパンでやって来る予感。おれ、死んじゃうんじゃないか、と今から心配でなりません。考えうる死因は二つ、過労もしくは幸福摂取過多。