にっぽんの所作

イデビアン・クルー 「排気口」
振付・演出:井手茂太

世田谷パブリックシアター

 ここのところ観るたびにセリフの量が増えていて、もはやダンスと芝居の垣根なんて比率の問題でしかないよ、とでも言わんばかりの唯一無二感。2時間でも3時間でも見ていられそうなそれを、ダンシング旅館細腕繁盛記と呼びたい。
 アフタートークで炸裂する井手節に酔う。舞台装置にワイヤーを使った単純明快な理由とか、排気口というタイトルに至る由来の、なんだか分かったような、はぐらかされたような、飄々とした佇まいとか。