映画のおわり

タカハ劇団 「GOD NO NAME」
作・演出:高羽彩

下北沢駅前劇場

 お話のトーンは沈んでいても淀んではなく、謎のすべてが明かされなくても消化はよく、右脳で観るたぐいの芝居でもないのに左脳を通らず直接腑に落ちる、この不思議な感触。これはちょっと今まで出会ったことのないタイプかも。いや、ただただ巧いだけなのかもしれませんが、それでいてちっとも嫌味ったらしくなってない。これが本当に狙ってやってるんだとしたら完璧に先手を打たれたというしかない。
 舞台上の人間は誰一人救われないままなのに力業でもなんでもなくスルリとハッピーエンド(の予感)へともつれ込む滑らかさ、透き通る美術とサーチライトに唸る。