パンが伏線

  • なんだかんだでもう今月末に本番を迎えるこゆび侍の稽古場へ。どうも今回はメンバーにも脚本にも根拠はないが不安がない。漠然とした安心感に包まれて。普段から心配と念慮にまみれた僕がそう思うのだから余程なんでしょうよ。
  • 台本の読み合わせを終えた後で、その設定を背負ってのロングエチュードが始まる。前にも同じこと書きましたが、完成した作品がお店で出される料理なら稽古場でしか見られないエチュードは賄い飯のようなもの。あちこちから噴出する矛盾点やトンチンカンの数々を必死で修正してみたり、演技とも素とも違う妙な立ち位置から放たれる生の言葉のやりとりは抜群に予想外なものばかりで、『裸のキャンドル』のときに見せられた白雪姫エチュード*1以来の爆笑の連続。
  • 今回の小道具も難物といえば難物ではあるんですが、今までと違うのは「作り方が難しい」ってこと以上に「うまく作れば作るほど僕の人間としての株が下がってゆく」という点。精巧すぎてもチープすぎても駄目で、(自分を含めて)誰も傷付かないようにするためには、きっかり75%の実力で対峙しなくてはならないのです。まあ、いずれ誰かから発注されるんじゃないかなとは思っていたものだけに覚悟は決まってるんですが。

*1:白雪姫のストーリーに沿って2時間以上にも及ぶ即興会話劇。