ボンヨーは怖い

劇団サーカス劇場 「カラス」
脚本:清末浩平/演出:中野敦之

@新宿タイニイアリス

 生粋のカラス好き*1としては非常に惹き付けられる直球のタイトルでしたが、予想に反してカラスほとんど活躍せず。とはいえ、タイニイアリスの立地条件込みの演出でやりたい放題の110分。
 鋭く乾いた金属音の連続で、室内なのに野外劇のような趣き。悪人が悪事を正当化するときの手練手管というものが僕は(言葉遊びの一環として)もともと好きなほうなので、『泥棒が泥棒を丸め込む』という一歩上行く構図にくらくら。あと、台詞で風景を描写するのが抜群に上手なせいか、語る男の視線の先を(劇場の天井しかないと知っていても)つられて見てしまい、見ながら「あ、騙されてる、俺いま騙されてる」とか他人事みたいに思う。

*1:ちなみに当方ハシボソ派です、が、こんな好みを誰と共有できるってんだ!