司書が語り継ぐ部屋

KAKUTA 「帰れない夜」
脚本・構成・演出:桑原裕子

@下北沢ザ・スズナリ

 短編小説4本の朗読を骨組にして繋いだ1本の大長編。
 活字だけでは見えてこなかった表情やら語気やらがポンポンと景気よく舞台上で展開図にされる様子*1は見ていて小気味良いのでした。
 ばらばらな各作品から浮かぶ余韻が重なって、第5本目のオリジナル作品として幕を降ろす。
 シアノアクリレートという単語だけで、その先に待ち受ける苦痛をいち早く察して笑ってしまった自分の業の深さよ。

*1:本人を見て書いたかのような一字一句に至るまで的確な久保貫太郎さんの描写とか、その配役は奇蹟だと思った。