エ(クス)ターナル・サンシャイン

遊心弾 「ゆれる部屋」
作:乾隆/演出:乾隆・小田裕美子

@阿佐ヶ谷アルシェ

 密室の中に作られた密室の中に居合わせた人の中にある密室についての話。
 あえて余白たっぷりに設えられた美術の隙間という隙間を、ぱんぱんに張り詰めた空気が支配してゆく。奇妙で生々しく具体的なエピソード群に流されるうちに、ないはずの窓が開けられたり、あるはずの記憶がなくなったり。不安は絶対に形を現さないし、形を現さないから人は不安になる、ただそれだけだ、と頭では分かっていてもなお、全編を覆う何者かに背後から銃口らしきものを突きつけられてるような感触は着実に僕の額に脂汗を滲ませ喉を渇かすのでした。部屋の扉を開けるのが少し怖くなる。